ブラックフライデーに備えるためのECサイト向けSEO戦略

Arron Westbrook
Arron Westbrook

2021-04-12公開

自宅療養や隔離、ソーシャルディスタンス。これらはすべて 2019年までは馴染みのない言葉でしたが、2020年には日常的に使う単語となりました。これがブラックフライデーと一体何の関係があるのかと疑問に思われているかもしれませんので、ご説明します。

今年、買い物を取り巻く環境は大きな変化を遂げ、すぐに元の状態に戻ることはなさそうです。局地的なロックダウンや上記で挙げた理由のために、実店舗に足を運ぶ人は少なくなっています。また、客足の減少のために、小売業によっては一部店舗の営業を終了しています。

消費者が電化製品やギフト、衣料品などをより便利に購入できることから、オンラインショッピングの重要性が急速に高まっています。

特にこの時期は、バーゲン品の購入や人に自慢できるようなお得情報が特に求められる時期です。ホリデーシーズンに向けて友人や家族へのギフトの購買意欲が高まるため、セール期間は消費者がまとめ買いをしたいタイミングとなります。

ブラックフライデーに向けた準備

こうした消費者動向を踏まえ、ブラックフライデーに向けた準備が整っているか確認する必要があります。

ここ数年のブラックフライデーの米国におけるオンライン上での売上は右肩上がりで、今年も過去最大の売上額となる見込みです。実店舗での販売に何ら規制や制約の無かった2019年に米国で74億ドルのオンライン売上高を記録したことを考えれば、(コロナ禍でオフラインに大きな規制のかかる)2020年にはどういった結果を期待できるか容易にご想像いただけると思います。

US Black Friday statistics

小売業のマーケティング担当として、準備をしておいて損はありません。自社のECサイトがある場合、消費者が自社サイトへ訪問し購入することを想定するだけでは不十分です。トラフィックの増加やお買い得商品目当ての消費者に向けたオンラインのユーザー体験をしっかりと準備し、消費者の目当てのものが確実に見つかるようにするには、相応の時間と労力が必要です。

ここで一旦立ち止まり、ブラックフライデーに向けた準備がどれほどできているか考えてみましょう。マーケティングチームは、このオンラインショッピング期間で成功を収めるためにリソースを投資してきたでしょうか?特にSEOに関して、他に何かできることはないでしょうか?

準備を始めるのに遅すぎることはない

ブラックフライデーやホリデーシーズンに向けた準備が万全でないと感じる場合も慌てる必要はありません。このブログ記事をお読みになっているのが秋頃であれどのタイミングであれ、持ち帰って自社のECサイトに普遍的に活用いただける重要な情報をこの記事ではご提供します。

この記事では今後のブラックフライデー(そしてその先のホリデーシーズン)に向けたサイトの準備に役立つSEO戦略を、以下のトピックに基づいてご説明します。

今年顕著となったデジタルファーストな購買トレンドにマッチしたマーケティング戦略を立てることができるでしょう。
 

 

ECサイト向けのテクニカルSEO

はじめにテクニカルSEOのトピックからご説明します。テクニカルSEOに対して恐怖心を感じるか、まったく未知の領域だと思う方もいるかもしれません。

テクニカルSEO面での問題があると、端的に言えば、サイトが検索エンジンからクロールや解析、インデックスがされないため売上へ打撃を与えることになります。さらにそれだけでなく、テクニカルな問題はサイト上のユーザーにも直接悪い影響を与えます。

幸いなことに、テクニカルSEOの知識を惜しみなく共有してくれるスペシャリストは大勢いるため、サポートを頼める人がネットワーク上にもいるはずです。身近なコネクションを探すまでの間ご活用いただけるよう、ブラックフライデーに特化したテクニカルSEO面での推奨事項をまとめたのでご活用ください。

テクニカルSEOに着手する前にちょっとしたアドバイスがあります。多数の部署がある会社で働いている場合、SEO関連業務が開発パイプラインに入るよう開発工数を確保しておくようにしましょう。まず最も重要な内容を実装して残りは後々検討できるよう、常にタスクを優先順位付けしておくと良いでしょう。

イベント用URL

ECサイトで最もよくある間違いは、各イベントで毎回新しいURLを使用して(/black-friday-2020など)詳細なURLにしすぎてしまうことです。ここでの問題なのは、毎年新たなバックリンクやオーソリティの構築が必要になり、検索エンジンに新規でURLを検出・インデックスさせなければならないことです。

以下は、悪いブラックフライデー用URLの典型的な例です。

"Walmart
このようなURLにするのではなく、同じURLを使用してそのページのコンテンツのみ毎年入れ替えるようにしましょう。

The Telegraph社は次のように言及しています。「一貫した、通年使用可能なブラックフライデー用ページがサイトにあると、検索エンジンのインデックスを確保することができ、これはすなわち(ブラックフライデーより前の)8月からそのサイトでトラフィックを獲得していくことができるということを意味しています。」

ブラックフライデー当日に向けて、ECサイトのヘッダーナビゲーションを更新してメインとなるイベント用LPを表示するようにしてください。多くの人が早い時期からリサーチを始めますし、特定のお買い得品のカウントダウンを行なって関心を引きくとともに、ブラックフライデーセール情報のまとめを行っている媒体から重要なバックリンクを獲得しましょう。

サイト内検索機能

マーケターのLuke Carthy氏は、ブラックフライデーに向けた準備が不十分だった大手小売業者を取り上げたブログ記事を2019年に執筆しています。彼は、(対象の企業の)ECサイトが、”ブラックフライデー”というワードに対しユーザーがサイト内検索で包括的な(またはあらゆる)検索結果を探し出せる設計にしていなかったという点を問題と捉えていました。

調査結果としての実例をいくつか共有した後、Luke氏は次のように締めくくりました。「サイト内検索の最適化はECサイトの成長やCROなど収益の責任者、そして明確な競争力確保にとって欠かせません。」

自社でブラックフライデーセールを開催していない場合も、ランディングページを作成してその理由がユーザーに分かるようにしておくと良いでしょう。これには、自社商品の価格を普段から他社より安く設定しているため、またはホリデー前の別日にセールを開催予定のため、などが考えられるでしょう。

内部リンク

サイト内検索機能とは別に、内部リンク構造の整備も合わせて行うと良いでしょう。ブラックフライデー用ページを作成してそのままにしておくのではなく、ブログやソーシャルメディアチャネル用のコンテンツ戦略を立ててみてはいかがでしょうか。

リソースを確保できるのであれば、ブラックフライデーやホリデー前のショッピング期間に向けて役立つコンテンツを作成する方法を検討しましょう。よくある例で言えばギフトガイド、または商品のレビューや比較コンテンツを用意するのも良いでしょう。こうしたブログ記事の中でブラックフライデー用ランディングページへのリンクを行い、イベント終了後は個別の商品ページへ直接飛ぶようにリンクを変更しておきましょう。

ファセットナビゲーション

ECサイト上でユーザーが目当ての商品を見つけられるようにファセットナビゲーションを採用している場合、ブラックフライデーを機に再度確認しておくと良いでしょう。サイトに商品が増えるにつれ、当初に想定していたよりも多岐にわたる提案商品への流入経路が現れることになります。

こうしたページの増加はユーザーの役には立つものの、検索エンジンの役には立ちません。コンテンツ重複、ページへの流入経路が肥大化したことで重要なページがクロールされないリスク、そしてバックリンクが同一ホストの類似ページを指定している場合にはリンクジュースの希薄化といった問題が結果として発生してしまいす。

時間をかけて自社ECサイトの抱える問題の解決策を探っていくことで、時期に関係なく継続的なメリットを享受できます。ファセットナビゲーションに関して基礎的な内容を知りたい場合、まずこのMoz社の記事(英文)を読んでみると良いでしょう。

DeepCrawlのRuth Everettは次のように述べています。「こうしたページを把握するには、まず複数ファセットナビゲーションで使用しているURLのパターンを特定する必要があります。そういったURLには ? や # 、クエリ文字列などパラメータ管理用の文字が含まれているのが一般的ですが、スラッシュに続くフォルダ階層に配置されている可能性もあります。」

これらを特定できたら、サイトをクロールして当該URLを探し、リンクを受けているインデックス可能かつ、GSCの検索インプレッションがあるページを見つけましょう。

ページエラーと在庫対策

Carolyn Lyden氏のサイトSearch Hermitで同氏が共有した内容によると、最善の顧客体験を提供するためにはホリデー期間を通して在庫に細心の注意を払うことが重要です。

そして、次のようにアドバイスしています。「在庫切れ商品の発生は避けられないので、ユーザーが在庫切れ商品やリンク切れページにアクセスした場合に、代わりの商品を表示するようシステムを構築するようにしましょう。」

404エラーページをカスタマイズして顧客が探していた商品に類似した商品を表示すること、または在庫切れですというメッセージのポップアップを出して在庫切れ商品ページから類似商品にリダイレクトさせることを推奨しています。

Robots.txtファイルやnoindexタグ

基本的な技術面の監査は行なっておいて損はなく、ブラックフライデーやそれ以降サイトへのトラフィックがピークを迎える前に実施しておくと良いでしょう。

監査の中で、robots.txtファイルを確認して不適切な内容が含まれていないことを確認しましょう。サイトの重要なセクションやブラックフライデー用のランディングページ、またはサイト全体のdisallow設定などを確認すると良いでしょう。

ステージング環境を用いて検証せずにブラックフライデー用ランディングページ上で開発を行った場合、noindexタグが削除されていることを確実に確認しましょう。こうした施策を行わずに、結果として競合他社にブラックフライデーの売上と利益の大半を奪われてしまった場合、自社にとっては壊滅的な損失となります。
 

 

ECサイト向けの内部対策

ブラックフライデーやその後のホリデーシーズンに向けた内部対策の実施にあたり、実用的な戦略をいくつかご紹介します。

このセクションでは、通常の大型セールイベントという枠を超えて役立つポイントをご紹介しますが、来るイベントにかけて想定されるトラフィック増加を確実に利益につなげるために、以下ご紹介する各戦略に関連する問題にはできるだけ早く対応するようにしましょう。

メタデータ

商品ページとカテゴリページのメタデータを最後に更新したのはいつでしょうか?今がその良い機会かもしれません。現状のページタイトルとメタディスクリプションを改善できればば、SERPでの表示順位改善に役立つでしょう。

合わせて、ブラックフライデー用のランディングページには特段注意を払ってください。前回のブラックフライデーと同じランディングページを継続して使用する場合、年の表記を2019から2020へ更新する必要があります。また、スペースが余っていれば、オンライン小売業として自社ならではのUSPを強調することもできるでしょう。

”翌日配送” や ”○○日にセール開始” のようなフレーズは良いティーザー広告になりますが、実際の顧客の期待を確実に叶えられなければ、結果的にネガティブなレビューが大量に寄せられることになります。

見出しと小見出し

メタデータを整理できたら、ユーザーがサイトをスクロールする際に目にするであろうページ上の要素について見ていきましょう。つまり、ページの見出しと小見出しについてです。

ブラックフライデー用ランディングページに様々な経路からののトラフィックを獲得するためには、”お買い得商品” や ”割引” などの用語、そしてその他ブラックフライデーセールのフレーズを取り入れる必要があります。

The Telegraph社がこれを以下のようにうまく要約しています。「ブラックフライデーに向けた戦略としては、商品ごとのターゲット向けだけではなく、幅広い層をターゲットとすることも必要です。」と言及しています。

ページの商品説明

DeepCrawlのブログ記事で、Ruth Everettは「ECサイトに典型的な課題の1つは、特に商品ページにおいて各ユーザーにとってユニークかつ役立つコンテンツを提供していくことです。」と言及しています。

もしかするとご担当のECサイトには当てはまるか定かではありませんが、特に膨大なページを抱えるECサイトでは、商品の仕様や説明としてメーカーが提供している文言をそのままコピーしていることがあります。

これは検索エンジンから重複コンテンツとして判断されるため、商品説明をユニークでより役立つ情報を提供するようアップデートすることが重要です。これはすぐに完遂できるものではありませんが、、今年のブラックフライデーやホリデーシーズンにかけて売れそうな商品コピーを再考することから始めるのはいかがでしょうか?

競合企業が同じ商品を取り扱っている場合、カスタマーレビューや質問を読んで人々は何を実際に知りたがっているか理解を深めましょう。そうすると、売上に繋がる優れたコンテンツを自然と作成できるようになります。

特価商品を起点とした購買行動

これまでにご説明してきたセクションの内容を踏まえ、一部の買い物客には特に目当ての商品がないというポイントについても検討するべきです。確かに、一部の消費者は電子機器や家電、衣料品のセール品を探しているかもしれませんが、その他は全く目的なくお得な商品を探しているだけと言えます。

ブラックフライデーやその他季節のセールにおいて、必要なものやどうしても欲しいものを探すためではなく、何かに出会える機会として活用しているユーザーもいます。まさに次のようなイメージです。

彼らはまず商品とお得情報を見た上で、次にそれを買う理由を正当化していくのです。こうした購買プロセスを踏んだことのある人も多いことと思いますが、その時には特に気づかないものです。

これこそが、ページ上の要素に ”セール”、”お買い得商品”、”ディスカウント”、”割引” といった包括的な表現を取り入れることが非常に重要である理由です。ウィンドウショッピングのユーザーを顧客へと変換するトラフィックにシフトさせるのです。
 

 

最後に

今年のブラックフライデーをしっかりと戦えるようチームを巻き込むかはあなた次第です。今や買い物もデジタルファーストな時代になったため、季節のイベントで需要の高まりを迎える前にきちんと準備をしておくことが、これまで以上に重要となっています。

小規模なマーケティングチームで業務を行っている場合でも、休暇中の同僚がいる場合、この記事の全体を読んで、ブラックフライデーに向けて実践できる内容をピックアップしましょう。全てに対応できなくても、です。今年のブラックフライデーのオンライン上での売上は過去最高額になることが見込まれることを考えると、ここに投資を行なう価値がありますし、利益を得るチャンスをみすみす逃すのは本当にもったいないです。

かつてないほどに、確実に正しいデータと情報に基づいて意思決定を行なうことが求められているため、対策を始める前に今お使いのSEOツールで十分かどうか確認しましょう。

DeepCrawlの詳しい情報やECサイト向けの活用方法については、こちらのリンクをご覧ください。

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Arron Westbrook
Arron Westbrook

Arron WestbrookはDeepCrawlのコンテンツマーケティングマネージャーで、多くの業界、地域においてスタートアップから大企業まで幅広いクライアントのコンテンツ戦略構築をサポートしてきました。専門はデジタルマーケティング戦略、SEO、コンテンツ戦略、そしてデジタルトランスフォーメーションです。

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