SEOのROI:実際にSEOがもたらす収益とは?

Arron Westbrook
Arron Westbrook

2020-10-22公開

DeepCrawlが最近公開したCMOがSEOについて知っておくべき7つのことという記事から得られる学びの1つは、マーケターは「最も重要な指標にフォーカスすること」が必要だということでした。

この記事では、SEOのROIを向上させるための方法を深堀りしていきたいと思います。

我々はすでに、オーガニック検索ではサイトのビジビリティを向上させるということや、サイトの最適化によりトラフィック、コンバージョン、そして収益を増やすことができるということを知っています。

しかし、SEOが投資的性質を持っているという点についてはどうでしょうか?

サイト運営は最初からお金がかかります。多くのSEOツールも同様です。そしてこれらの費用は、オーガニック検索でのキャンペーンを開始、運用するための時間や人的リソースを考えるよりも前に発生するものです。自分で行う場合でも、インハウスの担当者を雇う場合でも、または外注する場合でも同様にコストは発生します。

その他の伝統的なマーケティング手法や従来のデジタルマーケティング施策と比べると、SEO施策によりコンバージョンに至るターゲットカスタマーの価値は高いことが一般的であり、かつ多くのSEOのベストプラクティスにかかるコストはそれほど大きくなることはありません。これはマーケターにとって朗報です。
 

 

重要な指標 – トラフィックとブランド認知を超えて

オーガニック検索に関しては、注視する価値のある指標がたくさんあります。実際にその中には、他の指標と比べても間違いなく役立つ重要なものもあります。

トラフィックがおそらく最もわかりやすいでしょう。Google (Bingでも百度でもDuckDuckGoでも) のSERPに表示されるランキングが向上するほど、トラフィックをより多く獲得できる可能性が高まります。

トラフィック自体が悪いものではありませんが、オーガニックトラフィックが増えればそれだけでコンバージョンや収益が向上すると考えることは間違いです。多くのトラフィックが必ずしも高いROIを示すものではないのです。

キーフレーズにより想定通りコンテンツが反映されるようにランディングページが最適化されていなかったり、またはサイトのデザイン構成がユーザーにとって使いにくいものであったりすれば、この大きなトラフィックの大部分がサイトを訪問してすぐ離脱することになります。

また、SERPにおけるビジビリティがブランド認知に寄与することも我々はよく知っています。しかし、単に多くのウェブユーザーが自社ブランドや商品を認知しているとしても、これはより多くの訪問者がコンテンツへエンゲージメントを高め、商品の購入に至るということを保証する訳ではありません。

サイト上で簡単で軽微なSEO施策を行ったことで一時的に売上が向上したというデータを深堀りしたとして、こうした売上の向上は私たちが目指しているものでしょうか?

その時間やお金の投資は、もっと価値の高いキーフレーズへと向けたほうが良かったのでしょうか?

より単価の高い商品をターゲットにした競合性の低いキーフレーズの方が長期的に見れば高いROIをもたらすのでしょうか?
 

 

SEOがコンバージョン上昇をもたらす理由

検索領域を扱うマーケターは、アクセスできるデータの幅という点で非常に恵まれています。

例えばコンバージョン率を見ると、サイト訪問者のうちコンバージョンに至る人の割合が分かります。Episerver社(英文)の提供する最新のECベンチマーク調査によると、オーガニック検索から流入するユーザーの平均コンバージョン率は2.8%です。 つまりサイトに訪問する100人のうち約3名が購入に至るということです。

SEO施策を実行する前のコンバージョン率はおそらくこれより低いと考えるべきでしょう。コンバージョン率とトラフィックを合わせて理解することで、SEOの価値をより包括的に理解できるようになります。

Advanced Web Ranking社(英文)社によると、検索結果のトップに表示されると、2番目に表示されたサイトの約2倍のクリックを集めることができるようです。(以下図:30%に対して約13%の比率)

SERP features: SEO ROISource: Advanced Web Ranking

したがって、もし現時点で上から2番目に掲載されて1日あたり1000名の訪問者があり、30名が契約に至るという状況であれば、トップの順位に表示させることで理論上 2000名の訪問と60名の契約を獲得することができるのです。

基本的な解析を行えば、訪問あたりではなく、1ユーザーあたりのコンバージョン率が分かり、新規顧客か既存顧客のどちらに重点を置くかについてより良い考えが浮かぶようにもなるでしょう。またデバイス毎に切り分けて、PC経由かモバイル経由のどちらがコンバージョンに至りやすいか検証することもでき、これによりマーケティング戦略を適切なエリアに注力しやすくなります。
 

 

SEOが収益に与える影響

収益に目を配ることで、SEOの持つ価値を更に深く理解できるようになります。

収益は平均注文単価 (AOV: Average Order Value) という別の指標を見ることで確認でき、前述のような売上やコンバージョンの金銭的価値を示します。

オーガニック検索からの平均収益は各セクター毎、モバイルかデスクトップかというデバイス毎、そして国ごとに異なりますが、Wolfgang Digital社(英文)の最近のデータによると収益全体の33%がオーガニック検索から発生しているようです。

そしてその数値は年20%以上のペースで拡大基調にあります。(これは新型コロナウイルスの流行を背景としたデジタルへの移行が加速化する以前からです)

前述の通り、SEOにより検索表示させたい価値の高いキーフレーズにフォーカスできるようになります。もし予算が限られている、小規模チームしかないといった制約があるのであれば、$20の商品よりも$100の商品を販促することにフォーカスする方がリソース面からも効果的かもしれません。

同じリソースで$20の商品を1日あたり60個売り上げるよりも、$100の商品を同数売り上げた方が明らかに効率的です。しかしながら、トラフィック量に加えコンバージョン率やAOVなどのデータなくして、戦略的判断を行うことは不可能です。
 

 

効果的なSEOにより適切なオーディエンスを適切なコンテンツへ誘導

商品やサービスに関連したキーフレーズでランキングに表示されると、すでに購入意欲を持つ消費者の関心を捉えやすくなります。

適切なキーフレーズ調査、テクニカルSEOの健全性、そしてランディングページの最適化を行うことで、お客様が探しているものを最小のクリック数で探すことができるようになり、スムーズにコンバージョンに至る、より良いユーザー体験を提供できます。
 

 

UXにフォーカスしたSEOが大幅な収益増をもたらす理由

そもそもサイトでユーザーに快適に満足して過ごしてもらうことはユーザーにとって良いことです。お客様はそのサイトのコンテンツへのエンゲージを深め、サイトから急いで離脱するようなことが起こりにくくなります。離脱率が高いということは、質の高いUXやSEOを示すものではなく、ランキングの上位表示へのチャンスを阻害してしまいます。

明確なサイト構造、素早いページ読み込み速度、そしてサイト内検索などのツールが確保されていれば、良いユーザー体験を提供できます。これはまた、後でサイトに戻ってきて購入に至る可能性が高くなることも意味しています。そしてユーザーにとってそのサイトが使いやすく、ほしい情報を得ることができたことを友人や家族に口コミで伝えてくれるので、これらのユーザーはサイトの魅力を伝えるタッチポイントになってくれます。

しかし、良いユーザー体験と質の高いSEOは互恵的な、双方向の関係性でもあります。ユーザーに質が高くレスポンスの早いシームレスな体験を提供できれば、Googleはこの事実を認識します。 これはすなわち、サイトの掲載順位が上昇するということであり、またサイトへのトラフィックやCTR、コンバーション、売上の向上も意味します。
 

 

SEOがカスタマーリテンションにつながる理由

しばしば、SEOは一度きりの簡単な施策ではないと言われます。SEOには長期的な価値があり、その点でお客様と非常に似た存在でもあるのです。

サイト分析を深堀りしていくと、リピート購入のお客様の価値と、新規にコンバージョンに至るお客様のそれは大きく異なるものであるとすぐに気づくと思います。既存顧客は新規顧客に比べ消費額も大きいことが多く、既存顧客は自社のブランドのマーケットにおける認知を上げてくれる存在となることが多いと言えます。

SEOはこうしたお客様との長期的な関係性を構築していくことに有効な手法です。

キーワード調査は、販売している商品に関連したユーザーの検索行動を把握するのに役立ち、関連商品のランディングページの必要性を伝え、また商品購入後の検索を行うお客様向けに最適化されたクラスターコンテンツの準備にも役立ちます。

これらの検索はよりロングテールなものであるかもしれません。例えば、アクセサリやなにかの部品を思い浮かべてみてください。おそらく購入後の検索はよりサービスや商品に関連する(ストーリー性のあるもの)となることでしょう。使用方法の動画、エンゲージを高める企業理念、また電子版のマニュアルなどがこれにあたります。

もちろん、これはすべてGoogleから見ればオーソリティの向上ということになります。もし販売後に必要なコンテンツや関連商品といった購入後のユーザーが必要とするであろう情報を提供できていれば、これはサイトが更に多くのトラフィック、エンゲージメントを獲得し、そしてGoogleがSERPでこの事実を良い方向に反映してくれることを裏付けする理由となるでしょう。
 

 

最後に:良いSEOには良いデータが必要

明らかにSEOは収益を改善するのに有効なツールであり、素晴らしいROIを実現してくれる手法です。しかし、これまでに述べてきたことを実現する根拠となる要素の1つは、包括的なデータへのアクセスとそれによる重要な指標への理解です。

前述のほとんどは無料で利用できるということは、SEOを内製で実行しようと考えている小規模な会社やマーケターにとって良いニュースでしょう。大企業にとっては、解析は投資であり、しかも不可欠な投資といえます。

トラフィック、売上、コンバージョン率、訪問者のセグメンテーション、CTR、AOVなどの指標をうまくコントロールすることは、すべてサイトの上位表示や既に購入意欲のあるユーザーの関心を捉えることに寄与します。

特定のキーワードである程度のトラフィックを取得しているかもしれませんが、価値の高い商品についてはどうでしょうか?お客様はサイトへのエンゲージを高めているでしょうか、それともサイトを離脱して検索結果へ戻っているでしょうか?お客様は購入後に必要な関連商品やサービスを探しているでしょうか?また、お客様は自社のブランドの認知を上げてくれているでしょうか?

これらの質問はSEOやウェブ解析において常に心に留めておくべき重要な質問です。そしてオーガニック検索の価値は間違いなく増加しています。

ますます多くのお客様が商品の購入プロセスにGoogleのプラットフォームを使うようになっている以上、デジタルマーケターは更に検索領域へとフォーカスする必要があり、このチャネルで新規のお客様を獲得するとともに、既存のお客様とのさらなる関係構築を検討していかなければなりません。

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Arron Westbrook
Arron Westbrook

Arron WestbrookはDeepCrawlのコンテンツマーケティングマネージャーで、多くの業界、地域においてスタートアップから大企業まで幅広いクライアントのコンテンツ戦略構築をサポートしてきました。専門はデジタルマーケティング戦略、SEO、コンテンツ戦略、そしてデジタルトランスフォーメーションです。

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